宇陀の室生散策
午後からは室生寺から国道沿いに歩いて「室生龍穴神社」に向かいます。
たどり着いた神社には誰も人が居ませんでした。
社所には覆い尽くすように杉の巨木がそそり立っていて、境内に入ったとたん凛とした空気が身を引き締めます。
龍穴神社の「拝殿」は、桂昌院の援助で室生寺の般若堂を移築したものだとか。狛犬が見事でした。
境内の奥には奥宮に当たる「吉祥龍穴」がありますが、山道の詳細が不明だったので登るのを控えました。
室生寺への帰り道に西光寺さくら祭りの幟に誘われて、山上公園の方に登って行きます。
「西光寺」は融通念仏宗の小さなお寺(無住寺)です。
この「城之山桜」と呼ばれる枝垂れ桜は樹齢400年だそうで、「大野寺の枝垂れ桜」の親木とも伝えられています。満開の時はさぞ見事でしょうね。
この西光寺への道をさらに進むと、峠を越えて「仏隆寺の千年桜」に行くことができます。仏隆寺は室生寺の南門に位置する真言宗 室生寺派のお寺で、昔はこの道を歩いて巡礼したのですね。
帰りのバスで乗客につられて大野寺で下車。「大野寺」は役の行者によって創建されたと伝えられる古刹です。
境内は件のしだれ桜を始めとした桜が咲き誇り、山上よりもこちらの方が花は残っていました。
桜に加えて辛夷に花蘇芳や石楠花と、堂内には入れませんでしたがお庭の花を堪能しました。
そして大野寺の前に流れる宇陀川の断崖に彫られた「弥勒磨崖仏」。
興福寺の雅縁僧正により、笠置寺の弥勒磨崖仏を真似て刻まれたそうです。
今回思った以上に散りゆく桜を楽しむことが出来ました。桜の名所としては京都が筆頭に上がりますが、今年の私は奈良の桜が壮大で優雅で惹かれるものが多いようです。
宇陀には樹齢300年を超えるしだれ桜が多くあって、吉野もそうですし信仰とともにある桜の歴史は奈良の方が長く深いのでしょうね。宇陀は他にも行きたい場所がありますので、これからもゆっくり楽しんで散策したいと思います。
2018年4月9日