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2017-09-19

万華鏡の歴史

灯台1

万華鏡は1816年にスコットランドの光学研究者、デヴィッド・ブリュースター卿によって発明されました。

ブリュースターが灯台の光を遠くまで届かせる研究の途中、1つのキャンドルの光が2枚のガラスに反射し、それが重なり円形に並んで見えたことが、万華鏡のアイデアのひらめきに繋がったのです。ブリュースターは光学の分野で多くの業績がありますが、色の三原色(赤、青、黄)の定義もと聞けば親近感がわくでしょう?

『 KALEIDSCOPE』という名前はギリシャ語の、KALOS(美しい)EIDOS(形)SCOPE(見る)から、ブリュースターが命名した造語です。発明当初カレイドスコープは「偉大なる哲学的な玩具」とよばれ大評判になり、瞬く間に世界中に広がってゆく事になるのです。

書籍1

日本には、1819年には万華鏡を示す「紅毛渡り更紗眼鏡流行 大阪にて贋物多く製す」という記述が「摂陽奇観」にあり、その後1856年刊の高野長英による兵法の翻訳書にも、「可列以度斯可布 (かれいどすかふ)」として登場しています。

明治時代に入ってからは「百色眼鏡(ひゃくいろめがね)」後に「万華鏡(ばんかきょう)」や「錦眼鏡(にしきめがね)」などと呼ばれ1891年頃に流行し、観光地の土産物屋に郷土玩具として並ベられるまでになりました。

書籍2

1970年代アメリカで、昔の万華鏡の魅力を見直し、工芸作品として生み出そうとする作家たちが出てきました。これらの動きを大きなうねりに変えたのが万華鏡のファーストレディーと呼ばれるコージー・ベーカー女史です。最愛の息子を事故で失い、失意の中で出会った万華鏡が彼女に生きる力を与えたといいます。

ベーカー女史は1985年に世界初の万華鏡本「Through the Kaleidoscope」を出版し、同年に世界初の大規模な万華鏡展示会を主催し、その後1986年に万華鏡愛好家のグループ 「ザ・ブリュースター・ソサエティー」を設立しました。
The Brewster Kaleidoscope Society
https://brewstersociety.com/

書籍3

このようにしてアメリカでカレイドスコープルネッサンスと言われる、美しい万華鏡のブームが再び巻き起こりました。

そして、2017年5月に日本での初めての大会が京都で開催されたのです。

ブリュースター・カレイドスコープソサエティ・インターナショナルコンベンション  2017 in 京都
http://bks2017kyoto.com/index.html

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